BABI CHAN CAFEで提供するもの。
新元号が令和になると発表されて一週間以上経過しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
5月からの令和に向けて心新たにしているところだと思います。
ワタクシはしておりますよ。
なんとなく5月が肝だと思っていたところでしたので、この時期の新号には格別な思いがあります。
今書きながら思ったのですが、5月1日には令和にちなんだコーヒーなりスウィーツなりをお出しできたらいいな、なんちて。
令和はさておき。
ワタクシ共、常滑でケディバシュカンというコーヒー屋を営んでおりまして、4月1日で丸6年経ちました。
6年が永いのか短いのか。
そのあたりはよくわかりません。
しかし、永かったと言えば永かったし、短かったと言えば短かったという感じです。
その間、それはもういろんなことがありました。
思うようにお客様が来られないなんてことも多々ありました
店を辞めたいと思ったことも一度や二度ではありません。
もちろん、ものすごい楽しいことも山ほどありました。
しかし、それと同じ位悔しい思いや怒りに震える思いもあったのです。
涙を流し、心が折れる。
でもそのたびに「このままでは終われない」と踏ん張りました。
ワタクシ達をつき動かしたのは怒りや悔しい思い、そして恩をくれた人たちにお返しをしたいという気持ち。
ただそれだけを念じて続けてきたのです。
・・・なんとなく重たい空気になってきちゃいましたか?
いや、そうは言いながら落語したり歌ったりしてたのでそこまで張り詰めっぱなしだったわけでは
ないのですが、根底にはいつもそんな気持ちがあったということです。
そうして日々試行錯誤を繰り返し、なんとかお店も軌道に乗ってきて、またそのタイミングで新たな事業が
始まったりしながら、ようやく少しだけ余裕が出てきたのがここ1,2年です。
そう考えると悩み苦しんだ時期の方が永いですな。
その辛い時期を乗り越えてようやく少しだけ安定してきた訳ですから、そのまましばらく楽しめれば良かったのでしょうけれど、そうなってくるとまたちょっと冒険したくなっちゃうところがワタクシの悪い癖。
「名古屋に店を出したい。」
そう。この悪魔のささやきが聞こえ始めるんです。
なにせワタクシ、もともとが名古屋生まれ、名古屋育ち。悪そうなやつは大体友達じゃないくらいの名古屋っ子。
熊本と長野のハーフとはいえ、生粋の名古屋人なのです。
やはり人間、生まれた場所に戻りたくなるのでしょうか。
そんな風に思ってしまったのです。
とはいえ、思ったからと言ってそんなにすぐに見つかるものではありません。
何度か物件を探したりしてはうまくいかなかったりして。
そんなことがしばらく続きましてね。今はタイミングじゃないかと一旦諦めたんです。
そしたらなんと。
不意に出てきたんです。名古屋への切符が。
太田川乗り換えの名鉄切符じゃありませんよ。
実際の切符じゃなくて。
恋の片道切符とかいうじゃないですか。
そういう類のものです。
そう、考えてみたら井上陽水さんが言ってました。
探すのをやめたとき、見つかることもよくある話だと。
まったくもってその通りでございまして。
あれは去年の終わり頃だったでしょうか。
ワタクシの数少ない、よくお邪魔するカフェがありましてね。
そちらのカフェ、言ってみればワタクシ共の店とはまったく正反対と言っていいでしょう。
楚々とした雰囲気で、ゆっくりと読書を楽しむようなそんなお店。
そんなまったく正反対のお店なのに、そちらのご夫婦とお話しするのが妙に心地よいのです。
この辺り不思議なんですが、人間相性というものがどうしてもありまして、全然違う好みでも合う人は合うし、好みが一緒でも合わない人は合わない。
これは人間の防衛本能なのでしょうか、合わない人との無理な交流が多大なストレスを生むということが直感で分かるんですな。
大体この直感は外れることはないし、何となく誤魔化しながら付き合っても必ずいつかは離れることになるんです。
なので利害関係がある場合は難しいところがありますが、皆様も違和感のある人間関係に心をすり減らすなら思いきって関係を断つことをオススメ致します。
・・・・なんの話でしたっけ?
そうそう、そんな何故だか気の合うご夫婦のカフェ(こちらが気の合うと勝手に思ってるだけでそう思ってもらってない可能性はありますが)に行ったんです、去年の終わりくらいに。
その時はゲームオブスローンズの話をしに行ったんですよ。
え?ゲームオブスローンズを知らない?
いやいやご冗談を。
今春いよいよファイナルシーズンを迎えるアメリカのネットドラマ、「ゲームオブスローンズ」を知らないなんて!
ゲームオブスローンズにはあらゆるエンターテイメントが詰まっております。
とりあえずそれを語る時間もないので、知らない人は必ずググって、そして観てください。
えっと、ゲームオブスローンズの話をしたい訳ではなかったですよね?
何でしたっけ?
えっと、ticket to Nagoyaの話ですね。
そう、そのカフェのオーナー夫妻にゲームオブスローンズの話をしに行ったんですが、なんとオーナー夫妻から発せられたのがオベリンでもマウンテンでもなく、「移転するんです。」という言葉。
いやいや、もうオベリンやマウンテン言うてる場合じゃない。
で、更に次の言葉が、「空いたらケディさんどうですか?」ですよ。
いやー、それはいくらなんでもね、秋くらいに聞いて移転が12月って、いくら何でも急すぎるから無理ですよね。
ワタクシ達から出た言葉は「やろうかな。」でした。
悪ノリが過ぎるとは自分でもわかってるんですが、人生においてノリを最も重要視しているワタクシ共でございますから、こうなっちゃいますよね。
そんな流れでその後にお店を出させてもらうことになったんです。
物事が決まるときってこんな感じで意外とあっさりいっちゃって、でもそこからが大変なんです。
環境的にはオフィスの方がお昼にたくさん来てくださるとのこと。
そこから考えると、割りとシンプルな箱にした方がお客様が来やすいだろうなと思いましてね。
最初はシンプルに行こうと思ってたんですよ。
結果。
無理でした。
ピンク、緑、青の壁。
どう見てもケディバシュカン感が出ちゃう。
言ってみれば、ケディバシュ感。
そう、結局ワタクシ達は自分の好きなことしか出来ないタチなんです。
美味しい珈琲に美味しい料理。
それから美味しいスイーツ。
それらを提供するだけでなく、ワタクシ達はワタクシ達の好きな世界観をお客様に提供し、共有していただきたいのです。
バビチャンカフェに入ると、しばし外の喧騒を忘れるような。
少し非現実な空間。
まさしくケディバシュカンがそんな感じ。
バビチャンカフェでもそんな少し非現実的、かつリラックスできる空間を、さまざまな美味しい料理や珈琲と共に皆様に提供していきたいと思っております。
まだまだこれから発展していくであろうバビチャンカフェ、どうぞよろしくお願いいたします。
Katumi